遺産・相続
公正証書遺言を書きませんか?
公正証書遺言は相続を巡るトラブルを未然に防ぐためには、もっとも効果的な方法です。
土地や住宅をお持ちの方、事業をしておられる方、預金や保険などをお持ちの方で、お子様が複数おられる場合は。 ぜひとも書いておいたほうがよいと思います。
資産を巡るトラブルはあらかじめ防いでおいたほうが良いからです。
特に、実家をだれに継がせたい、事業は誰に譲りたい、などのご希望がある場合、 遺言という形で指定しておかないと、ご希望がかなわない可能性も高くなってしまいます。
口頭での遺言や、形式を満たさない書面では、法的効果は認められないからです。
それゆえ、遺言書を書く必要性は特に高いと言えるでしょう。
そして、事業をしている場合、土地をお持ちの場合、などは複雑で、 どのように書いておけば後々揉めずに済むか、詳しい人でないと判断が難しいと思います。
それゆえ、法の専門家に依頼して作成を手伝ってもらうことが重要です。
また、うちにはたいして財産はないから・・ という方も、書いておくことをお勧めします。
なぜなら、わずかな遺産について感情的な対立が起き、兄弟姉妹の仲が悪くなってしまうケースは決して珍しくないからです。
考えてみましょう。もし、あなたが数億円を持っていたとします。兄弟姉妹で分けても一人1億円以上。それだけお金があれば、兄弟姉妹仲良く均等に分けて解決できるかもしれません。
もっとも、実際はお金持ちも、実家や事業を継ぐのはだれかなどと揉めることも多いので、そう簡単ではありませんが、ましてや、資産が住宅1軒と貯金が少しだけだったらどうなるでしょうか?
兄弟は二人、家は1軒。
おじいさんは、同居している子に残すつもりかもしれません。あるいは、ご長男に残すのが当然と思っておられるかもしれません。
でも、遺言書にしておかなければ、遺志が守られる保証は全くありません。
相続が起きるなり、争い始めるケースは決して珍しくないのです。
「家は同居していた俺がもらう。親父もそう言ってたからいいよな」
「兄貴、そりゃないだろ。同居してたってことはその分家賃だって浮いてたんだぜ。だいたい、今の民法は均等分割のはずじゃないか」
そうやってもめているところへ、ずっと前に嫁に行った娘が戻ってきて、
「私は家はいらないけれどもその分お金を払って」
などと言い始めようものなら、もう、何年たっても決着がつかないことになりかねません。感情的な対立になると、お子さんだけではなく、お孫さんどうしの関係までおかしくなるケースも多々聞きます。
こうなると、おじいさんの遺志どころではなくなってしまいます。
これは一例に過ぎませんが、遺産の額はそれほどではなくても、さまざまな事情で揉めているケースは案外多いと言われています。
このように、せっかく築いてきた資産がかえって子供たちを不幸にしてしまうのを防ぐには、しっかりと遺言を書き、だれに何を渡すか、決めておくことが必要です。
なぜ弁護士に頼むのが望ましいか?
書類の作成だけなら行政書士でもいいのでは、と思っている方もおられるでしょう。でも、やはり、弁護士に頼むことをお勧めします。
なぜなら、行政書士は基本的に書類を形式にしたがって作成するのが業務です。だから、形式面で無効になるような遺言書を作らないというだけの目的なら、行政書士でも十分でしょう。
しかし、内容も含めてしっかりしたものを作るのであれば、法律の専門家である弁護士に頼むことをお勧めします。
遺言は、形式が整っていればいいというものではなく、民法の家族法(相続編)をしっかり理解した人の助言を受けて書かないと、後で思わぬ問題が出てきて、結局、執行できない恐れもあります。
また、中途半端な内容だと、結局、具体的な分割の段階で揉めることになりかねません。 そうなると、わざわざ遺言を書いた意味がなくなってしまいます。
後からそのようなトラブルが起きるのを防ぐためには、法律の専門家である弁護士に依頼するのがもっとも安心といえます。