遺産分割調停とは

遺産分割調停の概要

遺産分割調停は、家事事件手続法において定められている調停手続きであり、家庭裁判所で行われます。遺産分割について当事者間で協議が成立しなかったり、そもそも協議ができないような場合に用いられるものであり、裁判所における話し合いで遺産の分割方法を決めます。

どこの裁判所に申し立てるか?

 相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てます。例えば、相手方が大阪に住んでいれば大阪家庭裁判所、東京に住んでいれば東京家庭裁判所、となります。(ただし、支部管轄の場合は原則として支部に申し立てます。例えば、相手方が東京都青梅市に住んでいれば、東京家庭裁判所立川支部に申し立てるのが原則です) なお、相手方が複数いる場合は、どの相手方の住所地に申し立ててもかまいません。例えば自分が東京に住んでいて、他の相続人が横浜、名古屋、大阪、に住んでいる場合にわざわざ一番遠い大阪の家裁に申し立てる必要はなく、一番近い横浜家裁で良いこととなります。
 なお、当事者間で合意できれば住所地以外の裁判所にも管轄が発生して申し立て可能となります。
 

手続きはどのように進むか?

 裁判官1名と調停委員2名からなる調停委員会が調停を担当します。もっとも、調停期日においては、裁判官は直接当事者と話す機会は少なく、2名の調停委員が対応します。また、通常、相手方と同席はしません。調停委員は各当事者から順番に話を聞いていきます。例えば、相続人が5人いれば、5人を順番に調停室に呼んで、話を聞き、他の相続人にその内容を伝えていく、ということの繰り返しです。そうして、具体的な分割案をつくっていき、各当事者の意見を聞きながら修正していく、という作業の繰り返しです。それゆえ、相続人の数が多いと時間がかかる傾向があります。
 もっとも、必ず各人ごとに話を聞くとは限らず、概ね同じ意見のグループがあれば、そのグループは同時に調停室に呼ばれるということもあります。例えば、長男と次男が対立していて、長女、次女、三女、は同じ意見の場合は、長男、次男、は別々に呼ばれ、長女及び次女及び三女、は同時に呼ばれる、ということもあります。
 そして、最後に成立の時には、裁判官も出席し、全当事者が同席のもと、内容が読み上げられ、誰も異議を唱えなければ、それで成立となります。
 

電話調停

 遠方の場合は、当事者は出廷せずに依頼している弁護士の事務所と裁判所を電話でつないで電話会議で行うという方法もあります。ただ、この方法を認めるかどうかは裁判所の判断となります。多くの場合は、ある程度遠方だと認められますが、第1回は直接出席することを求められるケースもあるようです。なお、弁護士に依頼していない場合は、近くの家庭裁判所まで出向いて、そこと実際に事件が係属している裁判所との間を電話で結んで調停を行うという扱いがとられています。
 

成立した場合の効果

 調停調書は裁判の判決と同じで債務名義となり、強制力があります。したがって、「決まったけれども従わなかった」場合には、内容に応じて、強制執行ができます。また、不動産の登記は、調停調書に基づいて単独で行うことができます(つまり、他の相続人の協力を得られないから登記ができないということが生じないようになっています)。
 

合意に至らなかった場合

 調停でまとまらない場合は、自動的に審判に移行します。ただ、そこに至るまで何回の調停を開くかはケースによります。当事者が多いとどうしても話し合いに時間がかかる傾向があり、審判に移行するまでにある程度
 

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