調停に代わる審判とは?

1, 遺産分割調停における4通りの終わり方

遺産分割の調停が申し立てられた場合、おもに、以下の4パターンの終わり方が考えられます。

  1. 調停成立
  2. 不調で終了
  3. 取り下げ
  4. 調停に代わる審判

まず、1の調停成立の場合、調停調書は法的な拘束力を持つので、基本的にこれで終局的な解決となります。もちろん、遺産の使い込みとか別の問題が残る場合はありますが、調停で合意に至った事項については、各柄地して解決となります。
一方2の不調で終了の場合は、自動的に審判に移行します。
また、3の申立人による取り下げ、で終了する場合もあります。すなわち、遺産分割調停は申立人自身が取り下げをすることができることになっています。
そして、今回は、4 調停に代わる審判 についてお話させていただきます。

2, 調停に代わる審判とは?

遺産分割の調停において、裁判所により、調停に代わる審判、という決定がされることがあります。これは、遺産分割の方法について裁判所が行う決定であり、具体的に、どの遺産をどの相続人が取得するか、ということが記載されており、代償金の支払いが求められる場合はそれについても記載されています。そして、決定は、各当事者に送達されます。送達を受けてから2週間以内に異議を述べないと確定します。
一方、送達を受けてから2週間以内に異議を述べた相続人が1名でもいれば、決定は効力を失います。その場合は、審判に移行することとなっています。
なお、異議を出す場合ですが、異議は書面で行う必要があり期間内に裁判所に到達する必要があること、期間は各人ごとに進行することに注意が必要です。

3, 調停に代わる審判がなされる場合

調停に代わる審判は、どういう場合になされるでしょうか? 条文上は、「調停が成立しない場合において相当と認めるとき」(家事事件手続法284条)とされていますが、どういう場合に相当であるかは、解釈の問題です。実際のところ、調停期日を数回か、それ以上重ねて、話し合いが進んできた段階になってからなされることがほとんどです。調停はあくまで話し合いで合意を目指すものですから、まだあまり話し合いをしていない段階で出されることは通常、考えにくいです。
また、裁判官が各当事者の意見を聴いて、成立する(異議が出ない)可能性が高いか、少なくとも、成立する可能性がある程度あると思われる場合にのみ出されるのが一般的です。なぜなら、当事者間の対立が激しくて着地点が見えないときに調停に代わる審判を出したとしても、異議が出ることはほとんど確実ですから、そういう時に調停に代わる審判を出しても、裁判所の時間と労力が無駄になってしまうだけで、メリットはないからです。
そこで、裁判官はそれまでの期日に、あるいは期日間に裁判所から各当事者ないし代理人に連絡がされることもありますが、各相続人の意向を聞いて、調停に代わる審判が出た場合に異議を出すつもりがないか、確認するのが一般的です。もちろん、その時点の意向ですから、そこで回答したことに拘束力があるわけではないのですが、各相続人が、異議を出さないつもり、あるいは、たぶん出さない、というような回答であれば、裁判所も調停に代わる審判を出すことに前向きになるでしょう。
その際の意向確認の方向としては、期日に個別に聞くという方法がとられることもあれば、書面を利用して行われることもあります。
意向の聴取は、具体的な条項案を示して行われることもあれば、おおよその分割案を口頭で示して確認するにとどまる場合もあります。いずれにせよ、基本的に、「こういう内容で調停に代わる審判を出す予定ですが、いかがですか」という意向確認が事前に行われるのが一般的です。
なお、上記のような、よく話し合いを進めたうえで最終段階で出すという場合のほかに、調停に欠席を続ける人がいる場合に話し合いが進まないので解決のためにこの手続きを積極的に利用するという場合もあるようです。

4, 調停に代わる審判の内容

では、裁判所はどのような方法で内容を決めているのでしょうか。家事事件手続法(284条)では、「当事者双方のために衡平に考慮し、一切の事情を考慮して、」審判をすることができるとされています。一般には、裁判所は、それまでの調停で明らかにされた遺産の種類や額、法定相続分、寄与分や特別受益などの法律上考慮すべき事項、それまでの当事者の主張や意向などを踏まえて、案を作成します。
「審判」という名は付きますが、調停の一環であり、それゆえ、当事者の納得を得られるように、という努力はされますが、一方で、裁判所の手続きなので、それまでの法的な議論が無視されるわけではなく、それまでの調停手続きでの法的な議論の延長に案が作成されるとみてよいでしょう。それゆえ、仮に最終的に調停に代わる審判が出るとしても、当事者はそれまでにしっかりと主張しておくことが重要であり、遺産分割の話が調停の段階に移行した場合(あるいはそれ以前でも)、早い段階で弁護士に相談することをお勧めします。

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