【コラム】遺言書を書いた後事情が変わったとき

遺言書を書いた後、

・資産の状況が変わった(土地を売った、買った、預貯金が減った、増えた、保険に入った、解約した、など)

・推定相続人との関係が変わり、だれに遺産を残したいかという考えも変わった

など事情が変わることがあります。そのような場合、どうすればよいでしょうか?

 

1、遺言書の変更に関する基本的な考え方

 遺言書は後から書いた方が有効になります。公正証書か自筆証書か、という形式は関係ないです。

それゆえ、先に書いた遺言を全面的に改めたい場合、新しく遺言書を書き直せばよいことになります。

 

2、自筆証書遺言は訂正できるが

 自筆証書遺言は民法が定める形式に従えば、訂正できます。ただし、方法が厳格に決まっており、ミスをする恐れも考えると、書き直したほうが良いと思います。自筆証書遺言の訂正の制度は、内容を大幅に変更するというよりは、誤記の訂正など微修正の際には使いやすい仕組みですが、大幅な変更がある場合は、書き直すことが望ましいと言えます。

 

3、新しく書き直す場合の注意

 遺言書を新しく書き直す場合ですが、以前の遺言書と新しい遺言書が抵触する場合、新しいものが有効となります。しかし、抵触しない部分はそのままになってしまうので、抵触しない部分も撤回したい場合は、新しい遺言書の中で以前の遺言書を撤回することを明記しておくことが必要です。

 

4、まずは弁護士に相談を

 遺言書を作成する際、有効なものにすることはもちろん、内容は充分検討する必要があります。遺留分を侵害した内容だと遺留分侵害額請求(以前の遺留分減殺請求)をされる可能性もあり、また、最新の資産の状況を反映していないと意図したのとは異なる結果になりかねません。例えば、長男に多く相続させるつもりで「株式をすべて長男に相続させる」という遺言書を書いていても、実際の相続までに株価が下がってかえって長男に不利な内容になりかねない、ということあります。あるいは、一部の土地を売却したのに遺言書ではまだあるかのように書かれているとこれも争いのもとになります。また、形式的な面では、不動産の記載が不明確だと登記の際に問題が生じる恐れもあります。このように、遺言書は、最新の資産状況を反映して、かつ、遺留分なども考えて作成することが望ましいと言えます(もっとも遺留分を侵害する遺言書も適法ですから、敢えてそれで書くということもできますが、そのリスクは把握しておいた方が良いでしょう)。さらに、相続後に登記や名義変更を円滑に行うためには、遺言執行者を定めておいた方が良いでしょう。

 遺言書を書くことには、本来、このように複雑な考慮が求められます。それゆえ、まずは法律の専門家である弁護士にご相談いただくことが望ましいと言えます。弁護士は、遺言者から求められれば継続的に相談に応じることもできますし、また、遺言執行者を務めることもできます(弁護士法人の場合は、弁護士法人を執行者にすることが多いと思います)。

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